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「女地獄 森は濡れた」

 私の神代辰巳映画のベストは処女作の「かぶりつき人生」。ただし、昨日までは。今日からは、この「女地獄 森は濡れた」になった。
 まず、主演の中川梨絵の怪演がすごい。舞台は大正で、奥様言葉を使うかと思えば、急にドスのきいた凄みのある声になったり、訛りのある言葉になったり。
 山の中腹に金持ちの夫婦(山谷初男と中川)が二人の女中(山科ゆりと叶今日子)を使ってホテルを経営している。そこに迷い込んだ幸子(伊佐山ひろ子)は、そこが客をなぶり殺しにした上持ち金をせしめる恐怖の館だと知らされる。早速二人の鳥打ちの客が現れ。部屋にやってきた幸子を主人からの性接待だと思い込んで輪姦した後、部屋の仕掛にはまり、乱交の相手をさせられ、二人は主人にソドミーを犯されるた上射殺。二人の死体が乗ったテーブルで食事を取りながら、主人はいかにもサドらしい哲学を語る。二人の死体を片付けた後、夫婦と幸子と二人の女中は乱交する。
 翌朝、幸せそうな夫婦と娘一人がそのホテルに入っていく。一体この家族はこれからどんな怖ろしい目に遭わされるのかを、観客に想像させて映画は終わるのである。
 「㊙女郎責め地獄」で好きになった山科ゆりは残念ながらアップもセリフもほとんどないが、笑いながら鞭で叩かれるシーンが有って一層凄みがある。
 それにしてもの昔のポルノ映画はずいぶんレベルが高かったのだと思う。公開数日で上映禁止になった作品だそうだ。
 今日は勉強していない。「カウンターと暴力の病理」という本を読んでいるのである。この本を読み終わったら感想は書く。今から三年前、大阪で起きたリンチ事件に関する本である。

by hfmpk117 | 2017-12-09 23:36 | 映画  

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